この秋、私は1ヶ月のうちに2回も砥峰高原に行きました。
 ネットのあちこちをとろとろ見ていてここの写真に行きあたったのがきっかけ。
 そういえば、昔こんな景色のCMを見たことがあったわな、と興味を持って読み進めば、なんと、我が住処の県内です。
 こりゃ行かずしてどうするぞ!とばかりにプリウスを駆って出かけました。

 一言でいうと、砥峰高原は一面ススキ。
 見はるかす彼方まで、これでもかというくらいススキなんです。
 小高い丘が連なっていて、丘に囲まれた野原の一部には湧水と、その水が湛えられた小さな池があり、ススキの海の中で黒く光っていました。

 丘を縫う3キロ強の道を上り下り行けば、ときにふっさりしたススキを払うようにして歩かないとダメなくらいの細道になり、周りは何も見えず、もしススキのアレルギーがあったら大変だ、とか思いながら、ただただ汗かいて淡々と歩きました。
 すると急に視界が開けて、なんと、立っているのは山の斜面です。
 向かいの丘や下に広がる野原に目を奪われ一瞬のめまいが。
 初めて来た時にはそれが白い世界の好いアクセントになっていた紅葉は2回目には散って、枝が丸裸になった木々が寂しげでした。
 太陽に映えて存在感を増したススキは丘や野原のアウトラインを描き、ビロードのように輝いています。
 空はどこまでも青くて深く、凛とした空気は透明で、大きく息を吸い込むと肺までひんやりしました。
 ここは「平清盛」や「ノルウェイの森」、それから1月に公開になる「信長協奏曲」の舞台になったんだそうですが、確かに、時空を超えた何かが流れていると思いました。
 小栗旬がここでロケをした、ということもワクワクだけど、それよりこの場所が、誰の感性をもってしても悠久の場所に違いないと確信したことに満足でした。

 今度は夕焼けに染まるススキを見に行きたいなと思います。